レッスン109
なぜWindowsは世界中で使われているの?⌗
〜パソコンの歴史と「OS」のひみつを探ろう〜
1. はじめに:みんなが使っている「Windows」ってなに?⌗
学校や家、お店など、いろいろな場所でパソコンが見られますね。 そのパソコンの画面を開くと、多くの場合は 「Windows(ウィンドウズ)」 という名前が出てきます。
では、「なぜWindowsは、こんなにも世界中の多くの人に使われているのでしょうか?」
この疑問を解き明かすために、パソコンの歴史をさかのぼる冒険に出かけてみましょう!
2. Windowsは「OS(オーエス)」の一種!⌗
まず、大切な言葉をひとつ覚えましょう。 Windowsは、「OS(オーエス)」 と呼ばれるソフトウェアの一種です。
💡 OSってなに?⌗
OSは、英語の Operating System(オペレーティング・システム) の略で、日本語では「基本ソフト」とも呼ばれます。
パソコンの中には、画面を映す部品、音を鳴らす部品、キーボードの入力を受け取る部品など、たくさんの機械が入っています。 OSは、「人間とパソコンの機械(ハードウェア)の間に入って、全体をまとめて指示を出す司令塔(リーダー)」 の役割をしています。
もしOSがなかったら、ゲームを動かすのも、文章を書くのも、全部自分で難しい命令コードを打たなければならず、とても大変です。OSがあるからこそ、私たちはマウスでクリックしたり、画面をタッチしたりして簡単にパソコンを動かせるのです。
💡 Windows以外にはどんなOSがあるの?⌗
実は、OSはWindowsだけではありません。身の回りにはいろいろなOSがあります。
- macOS(マックオーエス): Apple(アップル)社のMacパソコンで使われているOS。
- iOS(アイオーエス): iPhoneで使われているOS。
- Android(アンドロイド): 多くのスマートフォンやタブレットで使われているOS。
- ChromeOS(クロームオーエス): 学校の授業などで使われる「Chromebook(クロームブック)」のOS。
- Linux(リナックス): インターネットのサーバーや、専門的なコンピューターでよく使われるOS。
世の中にはたくさんのOSがあるのに、なぜパソコンの世界ではWindowsが一番使われているのでしょうか?
3. Windowsの先祖「MS-DOS(エムエス・ドス)」の登場⌗
Windowsが大きく普及した理由を知るには、時計の針を約40年〜45年前(1980年代)に戻す必要があります。
実は、Windowsは最初から今の形だったわけではありません。 Windowsは、「MS-DOS(エムエス・ドス)」 という昔のOSから生まれました。
- MS-DOSの時代: 画面は真っ黒で、マウスはありませんでした。キーボードで「文字の命令」を打ち込んでパソコンを操作していました。
- Windowsの時代: 画面に「窓(ウィンドウ)」やアイコンが表示され、マウスでカチッとクリックして直感的に動かせるようになりました。
いきなりWindowsが大ヒットしたのではなく、「まずMS-DOSが世界中で大ヒットし、たくさんの人に使われたからこそ、その進化版であるWindowsもそのまま多くの人に使われるようになった」 という歴史があるのです。
では、なぜMS-DOSはそんなにたくさんの人に使われたのでしょうか?
4. 大ヒットの鍵は「IBM互換機(アイビーエム ごかんき)」⌗
MS-DOSが広まった背景には、「IBM互換機(アイビーエム ごかんき)」 というパソコンの存在がありました。
💡 IBM互換機ってなに?⌗
当時、IBM(アイビーエム) というアメリカの大きな会社が「IBM PC」というパソコンを作りました。
「互換機(ごかんき)」とは、「別の会社が作ったけれど、本物のIBM PCと同じように動くパソコン」 のことです。 いろいろな電器メーカーが「うちもIBM PCと同じように動くパソコンを作ろう!」と挑戦してできたのが、IBM互換機です。
MS-DOSは、この「IBM PC」や「IBM互換機」の標準OSとして使われたため、世界中に一気に広がっていきました。
5. なぜ「IBM互換機」は世界中に広まったの?⌗
IBM互換機が爆発的に売れたのには、おどろくべき理由があります。
💡 なぜIBMはパソコンの「設計図(仕様)」を公開したの?⌗
昔は、パソコンを作る会社は「自分たちの会社の技術は秘密!」にするのが当たり前でした。自分たちだけが作れる特別なパーツやソフトで囲い込んでいたのです。
しかし、IBMは違いました。 「IBM PCの設計図(仕組みや仕様)を、世界中に誰でも見られるように公開する」 という作戦をとったのです。
IBMが設計図を公開した主な理由は次の通りです。
- すばやく作って売りたかった: パーツを全部自分で作ると時間がかかるため、他社が作っている優秀な部品を組み合わせて作りました。
- 世界標準になりたかった: 設計図を公開すれば、他の会社がたくさんの関連商品(周辺機器やソフト)を作ってくれて、IBMのパソコンが業界の「標準(あたりまえ)」になると考えたのです。
💡 設計図を公開した結果どうなった?⌗
設計図が公開されたため、世界中のたくさんの会社がIBM PCの真似をして「IBM互換機」を作り始めました。
- 値段が安くなった: たくさんの会社が競い合って作ったため、パソコンの価格が安くなり、普通の会社や家庭でも買えるようになりました。
- ソフトやパーツが増えた: 「IBM互換機で動くソフトやプリンター」を作れば世界中で売れるため、開発者がこぞって作り、どんどん便利になりました。
こうして「安くて便利なIBM互換機」が世界中の標準となり、そこで動くMS-DOS(そして後のWindows)も一緒に世界標準になったのです。
6. なぜほかのOSではなく「MS-DOS」だったの?⌗
ここで一つの疑問が浮かびます。 「IBM互換機が広まったのなら、MS-DOS以外のOSが使われてもよかったのでは?」
なぜIBM互換機では、MS-DOSばかりが使われたのでしょうか?
主な理由は3つあります。
- IBMが「公式のOS」として選んだから:
IBMが最初にパソコンを発売したとき、MS-DOS(IBM版の名称はPC-DOS)をメインのOSとして採用しました。「IBMのパソコンを買えばMS-DOSが入っている」という状態になったのです。 - ソフトを作る人がMS-DOS向けに集まったから:
一番売れているMS-DOS用にゲームや仕事用ソフトを作れば、一番たくさんの人に買ってもらえます。そのため、魅力的なソフトがMS-DOSに集中しました。 - 「みんなが使っているから」という相乗効果:
ソフトがたくさんあるから人が買う、人が買うからさらにソフトが増える……という良い循環(ネットワーク効果)が生まれ、他のOSが追いつけなくなったのです。
7. まとめ:歴史がつながって、今のWindowsがある!⌗
ここまでの歴史を整理してみましょう。
- IBMが設計図を公開した ことで、安くて便利な 「IBM互換機」 が世界中に広まった。
- そのIBM互換機で一番使われたOSが 「MS-DOS」 だった。
- MS-DOSが使いやすく進化して生まれたのが 「Windows」 だった。
- だから、今でも Windowsが世界中で一番多く使われている!
私たちが今なにげなく使っているWindowsの画面の裏側には、数十年にわたるアイデアと歴史のつながりがあったのですね。
8. 学習の確認問題(チャレンジしてみよう!)⌗
今日学んだ内容を、問題でおさらいしてみましょう!
【問題1】○×クイズ⌗
次の文が正しいものには「○」、間違っているものには「×」をつけましょう。
- ( ) Windowsは「ハードウェア(機械)」の名前であり、画面のことである。
- ( ) iPhoneで使われているOSは「iOS(アイオーエス)」である。
- ( ) Windowsは「MS-DOS」という昔のOSから進化して生まれた。
【問題2】穴うめ問題⌗
下の【 】の中から当てはまる言葉を選んで、( )に入れましょう。
IBMという会社は、パソコンの作り方である( 1 )を世界に公開しました。 その結果、他の会社が同じ仕組みの( 2 )をたくさん作れるようになり、パソコンが安く便利になりました。 そのパソコンで使われたOSが( 3 )であり、これがのちのWindowsへとつながっていきます。
【 選択肢 】
a. MS-DOS
b. 仕様(設計図)
c. IBM互換機
【問題3】考えよう・説明してみよう⌗
IBMがパソコンの設計図(仕様)を公開したとき、パソコンの世界にはどんな良いことが起こりましたか? 2つ理由を考えてみましょう。
- ヒント1:パソコンの「値段」はどうなったかな?
- ヒント2:使える「ソフトや周辺機器」はどうなったかな?
【問題4】調べてみよう⌗
IBM互換機が売れて、マイクロソフトは利益を得ましたが、IBMは利益を得ませんでした。それはなぜでしょうか?ネットかAIで調べてみましょう。AIに聞く時は、「小学生に分かるように説明してください。」とつけ加えるといいと思います。
【解答と解説】⌗
【問題1】⌗
- ×(解説:Windowsはハードウェアではなく「OS(基本ソフト)」です。)
- ○
- ○
【問題2】⌗
- ( 1 ) b. 仕様(設計図)
- ( 2 ) c. IBM互換機
- ( 3 ) a. MS-DOS
【問題3】(解答例)⌗
- 理由1: たくさんの会社が競ってパソコンを作るようになり、パソコンの値段が安くなったこと。
- 理由2: 多くの会社や開発者が参入し、便利なソフトや周辺機器が充実したこと。